2026年5月29日

こんにちは。下野市の駅東ラッコ整形外科クリニック院長の山中です。
「信号待ちで後ろからコツンと当てられただけなんですが、クリニックや病院に行ったほうがいいですかね?」
こういう電話は本当によくかかってきます。交通事故は急に起きることですし、どう対応するのが適切か迷う方も多いと思います。痛みもそんなにないし、車もほとんど傷ついてない。相手も恐縮してるし、わざわざ病院に行くほどでもないかな…と。
その気持ち、よく分かります。私だって、自分が整形外科でなければ、そう思うかもしれません。
でも、整形外科の現場で交通事故の患者さんを診てきた立場から、はっきり言わせてください。軽い事故でも、一度は受診してください。 そのほうが絶対にいいです。
今日は、なぜ私がそこまで言うのか、その理由を順番にお話しします。下野市にお住まいの方で、最近事故に遭われた方、ぜひ最後まで読んでいただけたらと思います。

「軽い事故」ほど油断が危ない
まず、これは知っておいてほしいんですが、事故の衝撃の大きさと、ケガの重さは、必ずしも比例しません。
「車のバンパーがちょっと凹んだ程度」の事故でも、人間の体には想像以上のダメージが入っていることがあります。なぜなら、車は鉄でできていて衝撃を受け流せますが、人間の首や腰はそうはいかないからです。
特に追突事故では、停止中の車に後ろから当てられた瞬間、首が「ムチのように」前後に振られます。これがいわゆる「むちうち」のメカニズムです。時速10km、20kmの軽い衝突でも、首にはかなりの負荷がかかっていることが研究で分かっています。
下野市内でいうと、国道4号沿いや、小金井駅周辺、自治医大駅前の信号交差点など、停車・発進が多い場所での追突は珍しくありません。「ゆっくり走っていたから大丈夫」と思っても、実は体には負担がかかっている可能性があります。

痛みがなくても、なぜ受診すべきなのか
ここが今日一番伝えたいところです。
事故直後に痛みを感じない理由は、シンプルに興奮状態だからです。
事故に遭うと、体は緊急事態だと判断して、アドレナリンやエンドルフィンといった物質を出します。これらが痛みを抑えてくれるので、その場では「あれ、案外大丈夫かも」と感じるんです。
ところが、家に帰って一晩寝て、翌朝起きたら…。
「首が回らない」 「頭が重い」 「腰が痛くて起き上がれない」
こういう症状で、慌てて来院される方を、私は本当に何度も診てきました。皆さん共通しておっしゃるのが「事故のときは何ともなかったんですが…」という言葉です。
これ、実は医学的にはごく普通のことなんです。むちうちや筋肉・靱帯のダメージは、時間差で症状が出る。これが交通事故のケガの特徴です。

数日経ってからの受診だと不利になる
ここからは、少しシビアな話をします。
事故から数日経ってから「やっぱり痛い」と病院に行くと、何が起きるか。保険会社にこう聞かれます。
「それ、本当に事故のケガですか?」 「事故から3日も空いているなら、別の原因では?」 「もともと痛かったんじゃないですか?」
これ、別に保険会社が意地悪なわけじゃなくて、彼らの仕事として確認しているだけなんですが、患者さんからすればたまったものじゃないですよね。本当に事故のせいで痛いのに、それを信じてもらえない。
そして、ここが厄介なんですが、事故から1週間以上経ってからの初診は、保険会社から事故との因果関係を否定されやすくなります。 治療費が出ない、慰謝料がもらえない、というケースも出てきます。
だからこそ、痛みがあろうがなかろうが、事故直後に一度受診して記録を残しておく。これがあとで自分を守ることに直結するんです。
また頸椎に小さな骨折があり、痛みが小さいがために放置して骨折がズレて後遺症が残った症例も存在します。こういうケースもあるため、早期の受診をお勧めしております。

隠れた損傷を見つけられる
「痛くない=ケガがない」とは限らない、というのも大事なポイントです。
事故のあと、本人は気づいていないけれど、レントゲンを撮ったら小さな骨折が見つかった、というケースがあります。特に高齢の方では、骨密度の関係で軽い衝撃でも骨にヒビが入っていることがあるんです。
また、レントゲンには写らなくても、MRIで見ると靱帯や椎間板にダメージが見つかることもあります。これらは早く発見して治療を始めたほうが、回復もスムーズです。
「何ともない気がするけど、念のため」で来てくださる方こそ、結果的に早期に対処できて、後遺症を残さずに済むケースが多いです。

後遺症を残さないために、初期対応が決定的
私はこれまで150件以上の後遺障害診断に携わってきました。その経験から言えるのは、後遺症が残るかどうかは、事故直後の対応で大きく変わる、ということです。
事故直後にきちんと受診して、適切な検査とリハビリを早めに始めた方は、後遺症が残らないケースが多いです。
逆に、「最初は大したことないと思って」放置してしまった方は、慢性的な首の痛み、頭痛、しびれが残ってしまうことがあります。一度慢性化すると、なかなか取れません。これは本当に悔しいことです。
最初の1〜2週間の対応が、その後の数ヶ月、数年の体の調子を決める。これが交通事故診療の現実です。

下野市にお住まいの方へ、私からのお願い
ここまで読んでくださってありがとうございます。少し長くなりましたが、最後に下野市の皆さんへ、一つだけお願いがあります。
事故に遭われたら、たとえ軽くても、たとえ痛みがなくても、一度受診してください。整形外科を選んでいただけるなら、私たちはあなたの体を一番丁寧に診ます。
当院は下野市の駅東、小金井駅から徒歩4分の場所にあります。私自身、下野市で生まれ育ちました。愛泉幼稚園、国分寺小、国分寺中、石橋高校と、ずっと地元です。だからこそ、下野市の方が事故で困っているときに、一番頼ってもらえる場所でありたいと、本気で思っています。
電話一本で大丈夫です。「ちょっと軽くぶつかっただけなんですが…」という相談も歓迎します。むしろ、迷ってる段階で電話してもらえるほうが、こちらも対応しやすいこともあります。。
事故対応の流れも、保険会社とのやり取りも、診断書のことも、何でも聞いてください。当院では初診当日に診断書を発行できますし、必要なら栃木県で最も交通事故を扱っている法律事務所もご紹介できます。リハビリ設備も整えています。
事故直後で不安なときに、一人で抱え込まずに、まずは相談してください。
記述:駅東ラッコ整形外科クリニック 院長 山中卓哉
